就任代表挨拶及び自己紹介

平素よりアプティパへ格別のご高配を賜りますこと、心より感謝申し上げます。私はこのほど創業者(根本 正美)が38年間にわたってしっかりと握りしめてきた先代のバトンを引き継ぎました、根本玲央奈と申します。ここで、経歴を兼ねた自己紹介含め就任挨拶をさせていただきます。

社会人としての第一歩は会員権ビジネスで洗礼

 私が2011年に大学を卒業して就職した会社は、家業ではなくリゾート会員権販売やホテルレストラン事業を展開しているリゾートトラスト(本社=名古屋市、東名証1部)です。営業職として3年間勤務をさせていただきました。当時、会員権販売の営業マンとして努めさせていただきましたが、会員権は簡単に売れるものではありませんでした。まずはお客様との人間関係を構築することが初動的なルーティンワークだったからです。土台として自分を売り込んで信頼していただき、そこから会員権のご購入へいわば〝ホップ・ステップ・ジャンプ〟と進んで行く過程は、時々ふと両親が心血を注ぐ「美容師さんの仕事も、ひょっとしたら似て非なるものかも」と、思い巡らせることがありました。

 会社に在籍中は上司に反発することが少なくなく、上席からよく指導を受けていたのを思い出します。当時を振り返れば、若く素直ではなかった事を反省して振り返ることができます。そうした日々もあり、会社勤務を通じて学ばせていただいたことは会員権をご購入してくださったお客様は皆様、たいへんな努力を重ね、さまざまな壁を乗り越えて現在があるということです。私がご提案する会員権を、それは嬉しそうに「買えるようになった」と述べて微笑まれ、中にはご自身の会社の福利厚生目的で「社員を喜ばせたい」と、口角を上げる経営者さまの表情を思い出します。私は契約時のそのような場面に立ち会い、仕事のやりがいや喜びを経験することができました。

熱血野球人が美容室経営へ転身

 先代の跡を継ぐ覚悟は、高校生の頃に固まったと記憶しています。卒業を見据えて進路を考えるなか、美容学校という選択肢が視界に入っていました。

 一方で、小学校3年生から無我夢中でのめり込んできた野球の道を「続けなくていいのか」と諭す近親者の声があったことも事実で、考えに考え抜いた末、大学へ進学させてもらう道を選択しました。甲子園(出場)を目指して頑張ってきた心境を置き去り、大学という一つ上のレベルの野球に挑戦してみたい気持ちへと切り替わりました。

 そうして「完全燃焼」と言い切れる競技野球人生を終え、社会人の基礎を叩き込んでもらったリゾートトラストでの3年間が過ぎると、待っていたのは美容師経験ゼロで臨む家業の承継に向けたアプティパ勤務です。

経験を積ませていただいた3年間の集客活動

 最初の3年間で取り組んだのは、来る日も来る日も大宮駅前に立って行う集客活動です。100人にお声掛けして、1人が来店してくださるかどうかの確率を毎日続けてまいりました。この活動によって初来店してくださったお客様で、いまだに通ってくださる方が何人かいらっしゃいます。大変嬉しく思っております。

 施術経験や美容師経験の無い私ですが、この活動によってお客様が足を向けてくださることの尊さと有難さを体験的に理解できたほか、そのご来店客の期待に応えてリピートに繋げるスタッフの真剣な努力がアプティパの財産なのだと分かりました。集客役が必死にきっかけをつくり、店舗スタッフがお客様を守り抜く二人三脚が、アプティパが紡いできた歴史なのだと知りました。そうした大宮駅前の集客活動では、お声掛けをして来店してくださる日と、そうでない日を隔てる要素は何だろうかと、自問自答を繰り返した長い時期がありました。声掛けする人を見定める眼力が問題なのか、あるいは店舗の施術メニューに魅力が乏しいのではないか――等々、遅々として答が分かりませんでした。

結果的に、集客活動を長年続けて一人の自分が気づかせてくれたのは「成果を決めていたのは自分自身」だと感じております。心から真に「このお客様にいらしてほしい」「お客様のお役にたちたい」と描けている日は足を向けてくださるケースが少なくないのに対し、心が空洞でお声掛けが作業化している時は、一日中背を見送るばかりだったと分かりました。つまり、結果がでなかった日が、自分の反省をうみ自分自身の心に何を描くかの大切さを学ばせていただきました。最初から順風満帆にいっていたら、こうした気づきは起こらなかったと思っております。

美容師経験の無い経営者だからこそできること

美容師を経験していないことは、入社してからずっと心のネックとしてございました。「今からでも(美容技術を)修得したほうが良いのか」など考え、悩んだ時期も多くございます。私はお客様への技術提供は美容師に信頼して任せ、お客様が気持ちよく来店いただける環境、社員が活き活きと働ける環境構築を目指し現場一体となった経営を目指したいと思っております。集客活動から学んだ覚悟に加え、様々な心の壁を乗り越えて事業継承を迎えることができました。

スタイリストの磨いてきた施術に加え、笑顔溢れる空間、健康を考えた商品など通じて、お客様が心まで温かくなって帰ってくださるようなアプティパ 美容室を目指したいと思っております。社員満足度を高め新たに変革をしていかなければならない部分と、そうでない部分がございますが、守っていくべき事として「社員の人生を預かっている以上、その背景には家族がいることを忘れるな」という創業者の教えです。その思いは、必ず継承していかなければならないと思っております。これから創業者の理念を大切にし、感動できる場面や下地をできるだけ多くサロンにめぐらせて、お客様の美と健康へのお役に立てるよう努力してまいります。至らぬことも多くあるかと思いますが皆様のご指導やご鞭撻をいただき、一歩ずつよりよいアプティパ を目指し尽力してまいりますのでこれから宜しくお願い申し上げます。(取材、構成 「同」胸打つ企業研究所)